ヒラメといえば、冷水域に強い魚。水温が20℃を超えないことが望ましく、それでいて18℃以上であれば、下げ8歩、上げ3歩のヒラメ地合論が通用する。それが鹿嶋だ。果たして場所を暖流域に変えての千葉県は外房は、どんな結果が待ているのか……。た。 台風と長雨で水温は下がっていると想定 長雨や台風で大気温は、日々、下降を続けている。真夏の高水温も晩秋パターンへ向かっているに違いない。取材日は、台風23号が通過して日の浅い10月15日。大潮の最終日だ。 「インターネットで海水温をチェックしてみて……」と、前々日、大久保氏から連絡が入った。ヒラメ地合論のベースとなる水温が摂氏20以下とはいかないまでも、温暖な千葉県であってもそれに近いところまでは下がっているのではなかろうかと期待してアクセス。 ところが鹿島灘から房総沖にかけての水温は、なんとまだまだ秋真只中の摂氏23〜25度、海水浴ができそうな状態。鹿島灘の水温が18〜19度であるのと比べれば雲泥の差。 「チェックしましたか……、かなり高いでしょう。厳しいすよ」と、大久保氏。 ヒラメ地合論は、「上げ潮」「下げ潮」のタイミングも大きな要素だが、その基本となるのは海水温。それが想定範囲に収まらなければ、難航は必至。もしかしたら、ヒラメそのものが接岸していない可能性だってあるゾ。 「今の鹿嶋の状態は、どう?」と、尋ねた。 「台風の吹き返しが強くて、海も濁って釣りにならない。それに強い南風の影響で、水温が16度近くまで下がっています。急激な低下ですから、ヒラメは口を使わないだろうし、こちらも厳しっす」 つい最近、かなりいい思いをしていたという話だったが、状況は急変したのだ。 「銚子周辺だと、どう?」という提案に、向かい風と濁りで無理だろうと一蹴。ということで風裏を予想して鴨川に近い太海第一候補に選定。そこから銚子方向へと釣り上がるという計画だ。釣り上がる間に風も収まり、濁りも少し収まるかも知れないと、期待もあった。 そして10月15日、午前4時過ぎ、未明のサーフに立った。 夜明けの遅い秋とはいえ、すでに東の空は薄明りを取り戻しつつあった。それでも日の出までには十分な時間がある。明るさが増してくるのを待ちながら、1投目の準備にかかった。こういときは、無闇やたらにルアー打ち込むと、決していい結果にはならない。とりわけ強風のあとは、流木や海藻が海面や岸際を被っていたりするので、それを見極めなければルアーの消耗が激しくなる。 その太海は、サーフの中央には大きな流れ込がある。明るくなってわかったが、その南側の岩場エリアにかけてはカジメの切れ端などがぎっしりと海面を埋めていた。だからルアーを打ち込めば、どうなるかは明瞭で、焦ってはいけないということは正解だった。 どこのサーフでも同じだが、河川の流れ込みまわりはポイントになる。太海では過去、北側から攻めて58cmの実積があるが、流れ込の南側際から攻め、6時過ぎには北側へ入った。 流れ込みは、最下流で幅が10m満たないほど狭くなっている。見れば簡単に渉れそうだが、実は深く抉られていて、徒渉のできる状態ではないので高巻き状態でサーフに入ることになる。 すでに先客がいてキス狙いで、地元の投げ釣り師が独り入っていた。具合はあまりよくないようだ。「キスシーズンも終わりかな」という。この釣り人は、天候が許せば早朝のひととき毎日のようにこの釣り場に立ってキスを中心に狙っているという。 「ヒラメだったら、あちらの南側、岩礁帯まわりのほうがいいと思う。いつもルアーマンをよく見かける」 しかし、この日は、攻略可能な状態でないことは前述の通り。また、実積としてはキスのポイントになっているエリアもヒラメのポイントだから、攻略エリアとしては外せないし、海面に漂流物が浮いてないのが好ましい。ここでしばらくキャストを続けたが、釣果はなし。時間的には、もっとも期待できるタイミングをあてたのだが、まことに残念。 つぎのページへ |